【画像処理のKIT】傷と汚れ
コンピュータを使った画像処理を行うシステムを開発すると、つい「コンピュータだから、全自動でしょ?」と思い込んでしまいます。
しかし、「省力化に貢献する」事を、目的に考えると必ずしも全自動でなくても、大きな成果が出せる事があります。
例えば、道路や鉄道の線路など、とても膨大な量の「検査」を想定します。
東京から名古屋間など、広い範囲の検査を行い、後程「改修計画」をたてる事を目的として想定したテーマを考えます。
弊社が得意とする「画像」以外にも色々なセンサーもあると思いますが得意分野でのアプローチ例を考えてみます。
何かの手段(車や電車でしょうけど)で、検査したいところを撮影してきます。
ノロノロ走って撮影しては、通常運行の邪魔なので、なるべく邪魔にならない高速撮影が望ましいでしょう。
つい、エンジニアとしては、「撮影して膨大なデータを蓄えるよりはその場で、判定できる高速処理装置を作らないと話にならない」と考えがちです。もちろんそれが実現できればBETSかと思いますが、その開発コストや、開発期間を考えると他の提案も欲しいところです。
そこで、撮影してきた画像を、端から順番に人間がチェックしていく事も「有り」でしょう。如何に高速に撮影してこれるかが勝負でその後の判断は人間が行うと言うシステムです。
確実性は高そうですが、時間がかかりそうですね。
では、もう一歩踏み込んでみます。
傷(ヒビなどを、勝手に傷と総称します)を検知するのはFAの検査装置などを手掛けていれば、比較的簡単ですよね。しかし、道路など自然相手だと、思わぬ汚れや、落下物など予期せぬものの登場が「誤検知」として邪魔してきます。
ここで、発想の切り替えです。
人間と、コンピューターのコラボレーションは如何でしょうか?
コンピュータが、傷と汚れを区別できなくても、「省力化に貢献」できそうです。人間にとっては、簡単なその区別。でも人間は端から淡々と検査していくには時間がかかります。一方コンピュータは淡々とした作業は得意です。
そう、コンピュータに「傷か汚れか」区別できないけど、その可能性のあるところだけ、ピックアップさせるのです。
これにより、人間がチェックすべき対象が劇的に減ります。
こんな発想が、「省力化に貢献」し、実用化も早める事ができるのでは無いでしょうか。