【画像処理のKIT、悩み解決シリーズ5】実験機でも高速動作にはハード開発は必須?
事例5:画像処理の総合コンサルタント?〜ハードウェアのつもりがソフトウェア〜
◆お客様の悩み◆
高速なラインセンサを使用して、画像取り込み&計測する製品の試作機を開発したい。
取り込みや画像処理速度が速いので、タクトタイムを考えると実現手段はハードウェアが適切か・・・!?
開発見積を依頼するための要求仕様を作ってみたものの、検討している画像処理手法を実画像でテストしたことがなくて心配だ!!
後からアルゴリズムに大きな変更が入ると、ハードウェアは改版しなければならず無駄な費用が発生しがちだし・・・。
スケジュールの余裕もないし・・・。何とかなりませんか?
◇解決方法◇
商談時のヒアリングからお客様の要求を整理してみると、今回のミッションは『実時間で処理できることを調査する試作機の開発』であることが分かりました。
そこで、提案させて頂く予定だった『大規模FPGA搭載のPCI Expressボード』から『マルチコアCPUを搭載したPCを複数台使ったソフトウェアシステム』へ変更、さらに処理性能が不足する場合には『GPUプログラミングを用いた高速化』も併せて提案させて頂きました。
これならハードウェアの開発よりも費用を抑えることができ、後から処理部を変更するにも柔軟な対応が可能です。
ただし、このアプローチにはデメリットもあり、
・GPUは同一のボードがすぐ廃品になってしまう
・異なるボードでは再コンパイルが必要になってしまう
・高価なPCを使うため、試作機の生産台数が多い場合はハードウェアの開発費以上に原価が上がってしまう
などをお伝えしましたが、結果的にこの案件は『試作機の柔軟性』が最優先であり、試作機の追加はないと判断されたため、ソフトウェアの開発案件として成立しました。
◆ここがポイント◆
このケースのポイントは、要求の理解力と異なる視点からの提案力です。
ご相談当初からハードウェア、ソフトウェアの両担当が商談に入り、お客様と一緒に充分議論することで、要求を深く理解し、『お客様にとっての優先順位』を整理させて頂き、より良い提案に繋げることが出来ました。
当社では技術担当者が直接お客様とお話させて頂ける体制を作っていますので、最初の商談から深い話が出来るのです。